秩父札所2番巡り大棚山真福寺

秩父札所2番巡り大棚山真福寺のご案内

歴史

歴史

秩父札所2番真福寺は、標高665mの高篠山の中腹、約300mの高所に建っております。巡拝者は、秩父札所でも長い山道を、時間をかけて歩いていきます。長享二年の秩父札所番付には、真福寺は入っていなかったです。その後、西国・坂東・秩父で合計百カ寺とする際に加えられたものです。江戸初期には、本堂、仁王門、羅漢堂などを備えた大寺院でしたが、万延元年の火災で大半を焼失しました。本尊の聖観音は救い出され焼け残った須弥壇と欄間を使って、明治三十七年に再建されました。寺伝では、真福寺の開基、大棚禅師が「鬼丸」という岩窟に籠って他念なく読経していたところ、禅師が安置した観音に一人の老婆が、朝夕、熟心に拝しに来るので、「汝はいかなる者か」と聞くと、「自分は、この里の農家の人妻だったが嫉妬に狂い、鬼となってしまい苦しんでいる。今、禅師の徳で仏に帰依させてほしい」と願ったので、禅師は堂宇を建て、その老婆を救った、とされている。老婆がお礼にと潰した竹の杖が寺宝となっております。

札所2番

札所2番

本尊の聖観音は、室町時代の作で一木造の優品です。本堂は、三間四面の入母屋造りです。武陽彫工後藤立斉正道の銘が刻まれた欄間の龍の彫刻は迫力があって桃山時代の逸品と評価が高いです。南側の旧参道は、九十九折の急坂ですが、大小の石仏がところどころにあり、春には紅梅が咲きます。周辺には紫陽花・ツツジも多いのでとても綺麗です。真福寺は、無住であり、納経所は、谷川に沿って下り、二十分ほど行った所に建つ光明寺にあります。秩父札所2番真福寺が山深い木立ちの中の霊地に建っているのに比べると、光明寺は、明るく開けた麓の寺院です。

御詠歌:廻り来て 頼みをかけし大棚の 誓も深き谷川の水
真言:おん あろりきゃ そわか
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩
住所:〒368-0004 埼玉県秩父市山田3095
電話:0494-22-1832
時間:8時~17時
交通:「西武秩父駅」より西武バス皆野行きか定峰行きで「光明寺入口」下車、徒歩40分でございます。

観音像

観音像

秩父札所2番寺本堂へ登り口の右側に観音像があります。これが大棚救世観音様であります。柔和なお顔で巡礼者を迎えているようで、坂路を登ってき て、心が和みます。文字通り救世と、この地の平穏、信者の安全を守ってくださるといいます。

お地蔵様

お地蔵様

大棚救世観音様を通り過ぎて登って行くと、右側の崖にお地蔵様がならんでおられます。とても和やかなお顔をしていてなんだか、心が落ち着きます。一つ一つのお地蔵様の顔をよくみると、同じ顔はなく個性豊な表情に見えます。巡礼者の無事と安全を見守っているようです。

老婆の絵

老婆の絵

秩父札所2番の寺の横に、大棚禅師と里の農家の人妻だったが嫉妬に狂い、鬼になった老婆の様子が描かれている絵があります。禅師は堂宇を建て、その老婆を救ったという言い伝えであります。