秩父札所33番巡り延命山菊水寺

秩父札所33番巡り延命山菊水寺のご案内

歴史

歴史

秩父観音霊験記には、南北朝時代の武将楠正成と、正成の家紋「菊水」について書いてあります。南朝方の正成は、赤坂城が落城した後、一人落ちのびたが、追手に見とがめられて逃走した際、臂に矢を受けた。痛みはなく辛くもその場を逃れた。後で、肌身離さぬ観音経を開いた所、矢の根が経の間にあったといいます。また、菊水寺に向かう途中の八人峠に、昔は山賊がいて旅人と苦しめた、とあります。ところが、ある日、この八人組の山賊は襲った旅僧の法力で金縛りとなった。山賊どもは改心し、山裾に一寺を建立して、日夜、仏への供養をした、とのこと。秩父札所33番の「菊水寺」の名の起こりは、この寺の旅僧が実は行基で「この先の菊水の泉で汚れを洗い落とせ」と山賊どもを論したことによります。

札所33番

札所33番

参道の正面に「正大悲殿」の額を掲げる間口8間、入母屋造りの観音堂がある。向拝の内部は広い土間で、本尊を間近く拝むようになっている。秩父札所33番の本尊は聖観音一木造りの県指定文化財、藤原時代の秀作。右手の壁面高く、名高い「子がえしの絵図」が掛かっている。秩父聖人と言われる井上如常が奉納したものである。如常はこの絵の中で、嬰児殺しの悲惨な風習を戒めて、わが子を圧殺するなど極悪非道の所業だと母親をはげしく責めている。そして左側には孝行和讃と、唐の楊夫人がわが子を差し置いても姑の老婆に乳を与えている彩色絵の奉額がある。秩父札所33番の境内には数基の古碑があるが、中でも芭蕉の句碑は有名で寛保年間1741~1743)に翁の50回忌に建てられたもので、「寒菊やこぬかのかかる臼のはた」と刻まれ、秩父で最も古い句碑といわれている。

御詠歌:春や夏 冬もさかりの菊水寺 秋のながめに 送る年月
真言:おん あろりきゃ そわか
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩
住所:〒369-1503 埼玉県秩父市吉田1104
電話:0494-77-0233
時間:8時~17時
交通:秩父鉄道「皆野駅」から西武バス上吉田行きか小鹿野車庫行きで「吉田下橋」下車、徒歩25分。

芭蕉句碑

芭蕉句碑

秩父札所33番寺の本堂前に芭蕉句碑があります。寛保年間に建てられたもので、県内最古であります。

寒菊や こぬかのかかる 臼の端

霊験記

霊験記

家紋が寺名と同じ菊水なのを縁に、この寺を遙拝して武運を祈る