マタタビの実
山の調査に行ってきました。「何の調査?」
それは、内緒です。笑
山に行くと、こういった白い葉を見ることがあると思いますが、これは、マタタビといって、つる性の落葉植物になります。茎は褐色になっており、他の木に巻きつきながら長く伸びていきます。葉は、長さ10cmくらいの先のとがった卵円形で、鋸歯があります。奥秩父の山際の道を走っていればどこにでもありますので、簡単に見つけることができます。
マタタビの実は、長さ3cm~4cmくらいの先のとがった形になっており、これが熟すと黄色くなり、かんでみるとピリっとした辛みがあります。赤い矢印を見てください!これは、果実の中に虫が入ると、表面がデコボコした状態になり虫こぶができております。他の実と形が変わってしまったのがおわかりになるかと思います。つぼみの頃から開花直前に、花の中心の子房にマタタビノアブラムシという小さな昆虫が産卵します。卵を産みつけられた子房は、正常の果実になれずに、虫こぶ状のものになっていきます。これを生薬では「木天寥」(もくてんりょう)と呼んでおり、薬に使っております。この虫こぶ状になったものは、かなりあるとお思いますので、白い葉を見つけることができたら確認してみると良いと思います。
このマタタビの実の成分は、マタタビラクトンを含んでおり、次に示す物質の総称になります。イリドミルメシン・イソイリドミルメシン・ネオネペタラクトンなどになります。これを♂の猫にあたえると、ものすごくじゃれて興奮してしまうでしょう。♀の猫には、あまり効果がないですよ。昔から、猫が病気になったら、この「木天寥」(もくてんりょう)になった虫こぶ状の実の粉末をエサに混ぜて与えるとよいとされております。
「木天寥」(もくてんりょう)の粉末の作り方を以下に記します。
10月頃になっている、虫こぶ状のマタタビの実を採ってきて、その日のうち(必ず)に鍋でサッと沸騰させ、中の幼虫を退治します。そして日干しにしておきます。からからに乾燥したらお茶の缶に入れて保存しておくと良いでしょう。しかし、いくら効果があるからって与えすぎはよくないので注意しよう。
この記事へのコメントはありません。