秩父札所1番巡り誦経山四萬部寺

秩父札所1番巡り誦経山四萬部寺のご案内

歴史

歴史

秩父札所三十四箇所の観音霊場は、西国三十三箇所、坂東三十三箇所と合わせて日本百観音信仰を形作っております。秩父霊場の開創について緑起類は、文暦元年二月十八日午歳に性空上人ら十三者の神仏・皇族・高僧が、この地の魔を破って巡礼したことを伝えております。午は、馬頭観音に見られるように、食欲に悪を食い尽くす観音の眷族とされています。秩父が西国、坂東よりも一か所多く三十四箇所になっているわけは、成立が前二者よりも遅く、合わせて百となり結願するという数合わせによります。秩父盆地一帯を巡る巡礼道は、約100kmほどあります。歩いて巡拝して回ると五日かかる道のりと言われております。近年は、マイカーやバイクを用いた巡礼者が多いですが、秩父札所巡りは、やはり歩いて回りたいですね。秩父の四季の風景をみながら自然と一体になって巡拝してください。

札所1番

札所1番

秩父の札所を巡るにあたって、最初は、ここ札所1番四萬部寺からです。巡礼装束一式を、ここの納経所で揃えることができます。四萬部寺の開創について「秩父観音霊験記」によれば、播磨の書写山に円教寺を開創して、多くの貴紳僧俗の帰依を得ていた性空上人が自分の死を覚って、弟子の幻通に、「武蔵国秩父に、行基菩薩の刻んだ聖観音がある。私は、もう行くことができないので、お前が行って諸人を化度し、霊跡の再発を進めよ」と遺命したことに始まります。幻通は、上人との約束を守って秩父に来て、四万部の経典を読経し、経塚を築きました。四萬部寺の寺号はここに由来します。本堂は、元禄十年の建立です。秩父夜祭の屋台などにも腕をふるった秩父一の名工であった藤田徳左衛門の作で、銅葺き入母屋造であります。秩父札所唯一の埼玉県指定文化財になっております。本尊の伝行基作聖観音は午歳に開帳。境内に建つ施餓鬼堂では、毎年八月二十四日、「四萬部寺の大施餓鬼会」と呼ばれる大法会が行われております。施食とは、餓鬼道に堕ちて苦しむ者を救う法会で、全国から供養を願う人々が参集しております。

御詠歌:ありがたや 一巻ならぬ法のはな 数は四萬部の 寺のいにしへ
真言:おん あろりきゃ そわか
宗派:曹洞宗
本尊:聖観音菩薩
住所:〒368-0002 埼玉県秩父市栃谷418
電話:0494-22-4525
時間:8時~17時
交通:「西武秩父駅」より西武バス皆野行きで「札所一番前」下車。または、定峰行きで「栃谷」下車。徒歩5分

施食殿の額

施食殿の額

秩父札所1番の本堂の右手に施食殿の額のかかった立派なお堂があります。周囲に戸障子のない吹抜の上屋風の施食堂は中央部に八角形、回転輪蔵形式の厨子を 置き、中には施餓鬼者の戒名を記した日牌・月牌を納めてあります。お施食とは、父母、水子等があの世で受けている苦しみを救うための法会であります。この 寺の施食は、蚕、家畜、ペットの霊まで供養するのであります。毎年、8月24日に、この堂で行われる四万部の施餓鬼は、関東三大施餓鬼の一つとして大変賑 わいます。古くは、三十俵の米を炊き、詰めかけた信者はもとより、多くの乞食たちにも平等に施したものだったといいます。

納経蔵

納経蔵

秩父札所1番境内に、新しい建物の納経蔵があります。これはこの寺の縁起に因んで、一般から写経を募り、昭和の写経四萬部をここに奉安するものでありま す。先祖供養、水子供養、交通安全、厄除開運等はもろもろの心願成就のため写経をするもので、その功徳は無量であるといわれております。

守り本尊様

守り本尊様

生まれ年にそれぞれの守り本尊様があります。この本尊様にお詣りすると、厄除開運、心身健康、合格、良縁等の諸願成就の御利益があるといいます。皆さん、それぞれの守り本尊様をさがして諸願成就の御利益をもらいましょう。

功徳石

功徳石

秩父札所1番寺の境内に功徳石があります。円形の石に、七観音の梵字が彫ってあって、手で自由に回せるようになっております。観音様を念じつつ、この石を回すと御功徳があるのであります。観音様を念じながら、ゆっくりと回して御功徳をもらいましょう。

平和の鐘

平和の鐘

秩父札所1番寺本堂に向かって左側に、平和の鐘があります。この鐘には、秩父郡市出身の一千霊の名前が刻まれております。この鐘を静かに撞くことによって、その音色で英霊を慰めるといいます。このお寺にきたら、この平和の鐘を静かに撞き、英霊を慰めましょう。