秩父札所19番巡り飛淵山龍石寺

秩父札所19番巡り飛淵山龍石寺のご案内

歴史

歴史

秩父札所19番の龍石寺は、昭和三十年代には茅葺き屋根が傷み、雨もりがひどったので、本尊をはじめ諸仏を他の寺に預けていました。しかし、地元観光協会の青年部が中心となり、東京まで托鉢に出て浄財を集め、そのお陰で昭和四十八年、銅板葺き、七間半四面の立派な本堂を持つ寺に生まれ変わりました。この寺は、寺自体が巨大な堆積岩の岩盤の上に建っているので驚きます。荒川をはさんで対岸にある札所二十番岩之上堂も同じで、昔は、渡し船で往来しました。名残りの渡船場の石段の遺構が、今もそのままあります。

札所19番

札所19番

札所19番は起伏のある大きな砂岩の磐上に観音堂が建っている。三間四面の堂だが、柱間が他の札所の堂と違い、中の間15尺(4m54cm)、左右9尺(2m72cm)の変形なので堂々として見る目に大きい。秩父札所19番の本尊の千手観音は高さ1尺5分(45.5cm)の寄木造りの坐像で、室町時代の作と言われる。縁起によれば、弘法大師の作で、遠く京都から飛んで来てここに定着した霊験あらたかな尊像だとあり、山号の飛淵山はこれによるものだという。昔、ある年の事、ひどい日照りがつづき人々は飢えと渇きで苦しんでいた。この地を巡錫した弘法大師が雨乞いの業法を修したところ、突然大岩が二つに割れ大きな竜が天に昇った。間もなく大雨が降り、人畜草木ことごとく生気を取り戻し、五穀も豊穣となったという。また、この寺の境内には三途の川の奪衣婆をまつる三途婆堂がある。奪衣婆が冥途へ赴く亡者たちを三途の川の衣領樹の下で待ち受け、その着衣をはぎとり樹上の懸衣翁にわたす。すると、懸衣翁が枝のたわみ具合で罪の軽重をはかるのだという。

御詠歌:天地を 動かす程の龍石寺 詣る人には 利生あるべし
真言:おん ばざら だらま きりく
宗派:曹洞宗
本尊:千手観音菩薩
住所:〒368-0051 埼玉県秩父市大畑町15-31
電話:0494-23-7758
時間:8時~17時
交通:秩父鉄道「大野原駅」より徒歩15分。または、西武秩父駅より西武バス小鹿野車庫行きで「秩父橋」下車、徒歩5分。秩父鉄道「大野原駅」より徒歩15分。または、西武秩父駅より西武バス小鹿野車庫行きで「秩父橋」下車、徒歩5分。

霊験記

霊験記

秩父札所19番に掛けられている霊験記の絵です。昔、ある年の事、ひどい日照りがつづき人々は飢えと渇きで苦しんでいた。この地を巡錫した弘法大師が雨乞いの業法を修したところ、突然大岩が二つに割れ大きな竜が天に昇った。間もなく大雨が降り、人畜草木ことごとく生気を取り戻し、五穀も豊穣となったと云う説がありますが、この絵は、突然の雨と風を描いた風景で、絵から当時の様子を感じとれます。